◎ タイカンリンク(2)浦視点 浦桃→良チック | ||
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背中側でもぞもぞしている。 ああ、まただ。思っていると、シーツとわきの下の間に腕が差し込まれる。胸の前で交差する手は、モモタロスだ……。 寝ぼけてる。 どうせ良太郎の夢でも見てるんだろう。 そのせいでリアルに良太郎と感覚がつながってしまい、多分哀しい夢を見ている良太郎に反応した彼は、慰めようと無意識にこういう行動を取るんだろう。 僕らは良太郎を介してつながっている。 感度はそれぞれまちまちで、締め出されてもリュウタのように何をしているか見えていたり、僕やキンちゃんのように「なんとなく」「そんな感じがする」という程度からある。 眠っているときは良太郎の心とのつながりが深くなる。 目が覚めていて理由もなく物悲しいときは良太郎に何かあったときだ。 「良太郎」 と呟きモモタロスは僕を抱きしめる手に力を込める。 「良太郎じゃないんだけど……」 「……」 呟いてもモモタロスには聞こえない。 夢の中、哀しむ良太郎の、そう、魂を抱きしめているつもりになっている。 仕方ない。 ため息を付いて、目をつぶって僕は眠る。 いつもモモタロスがするように良太郎の意識の尻尾を掴む。 体の中の感覚が良太郎に同調していく。 心臓が急にのろのろと動き出す。胸の中一杯に締め付けられるような痛みが広がり手足の先が冷たくなってゆく。 背中一杯に広がるモモタロスの体温がとても心地よい。 なんだろう… ぼんやりと、良太郎が思っている。 とってもあったかい。 うっとりとした安らぎに、良太郎の寝顔が微笑んでいる。見えていないけどそんな気がした。 オヤスミ、良太郎。 何があったかは知らないけど、気が向いたら僕らにもそのわけを聞かせてよ。 僕らはイマジンだけど、昔は人間だったから、人間の良太郎の気持ちは分かるつもりだよ。 うん。 と良太郎は頷いている。 こうして、僕を介してモモタロスが良太郎を慰められるように。 タイカンリンクする。 |
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