◎ あのね?(龍視点・ウラモモチック) ◎

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僕、リュウタロス。
良太郎が雷に打たれてから僕たちは時々人間の姿になる。
人間になると、いろいろ不便なことが多い。
まず、強度!。
イマジン体のときよりも数段弱くなる。
人間の体はもろい。昼寝中いつもは目を覚まさない熊ちゃんが、時々目を覚まして首や肩を動かしている。カンセツが固まると、熊ちゃんは言ってる。
僕も、前ほどスムーズにおどれなくなってる。
特に僕は、児童に近い体になってるから、体力がない。
この前、好きなだけ踊ったら、ふらついて足首が「ぐき」となった。
それを無視して踊ってたら、次の日に、握りこぶし二つ分くらい腫れた。足首が曲がらなくなった。そして全身がだるくなって……。
踊らない僕に最初に気付いたのはモモタロスで、僕の足首をみて、ぎゃあ〜と悲鳴を上げた。
亀ちゃんと熊ちゃんが僕を捕まえて、僕は外の医者に行った。
人間の姿で実体化して外の姿にいられるのは20分だったから、二人は待合とか治療とか、はらはらしてたみたい。
今ではもうすっかりいい。まだ包帯まいてるけど。
次にお腹!お腹がすぐすく。
定期的に食事をしないと、動けなくなる。
いままで僕にとって食事は娯楽だった。食べたいときに食べたいものを食べて、それで困ったことなんかなかった。
でも、最近はご飯を抜くと、目が回る。
甘いものばっかり食べても、たべたぁ〜っていう感じがしない。
お米にお味噌汁にお魚に〜お野菜に玉子焼きに〜いろいろ食べる。
いろいろ食べる。それだけでいいってもんじゃない。
食べ過ぎると気持悪くなる。息がつまる。お腹が痛くなる。そして吐く。
ゆっくりかんで食べないと。
亀ちゃんが言う。
ゆっくり良く噛んで、味わってもうちょっと食べたいって、おもうところで止める。それくらいがちょうどいいんだよっ
……。
動きすぎてもダメ。食べ過ぎてもだめ。そして暑すぎても、寒すぎてもダメ。ああ、めんどくさい!!
ナオミちゃんがいるときは暖房冷房してもらえるけど、いないときは上着を着たり脱いだりしないといけない。
着ると暑くて脱ぐと寒いときはいったいどうすればいい?
だから僕は寒くなったらくっつくことにした。
居眠りをしているくまちゃんの隣に座ってくっつく。
熊ちゃんはあったかくて、気持ちがいい。
ついつい僕も一緒に居眠りする。

寒いときは人肌に限る。

なんていったらモモタロスはふきだした。
亀ちゃんは大笑いして、熊ちゃんは首を左右に振って何も言わなかった。
モモタロス、自分だって時々かめちゃんとくっついて寝てるくせにっ。
僕は知ってる。
モモタロスは寝ぼけて亀ちゃんのベッドに行くんだ。
僕らは二人で一部屋。
部屋割りは僕と熊ちゃん。モモタロスと亀ちゃん。いろいろ変わったけどコレが一番しっくしきた。
二つの部屋は同じ間取りで、入口入って、左右の壁際にベッドがついてる。
亀ちゃんは左側、モモタロスは右側。(僕のところは僕が左、熊ちゃんが右)
亀ちゃんは壁のほうを向いて横向きに丸くなって寝てる。
そんな亀ちゃんに背中側から抱きついてモモタロスは寝ている。
朝起きると盛大な亀ちゃんのため息が聞こえる。
しんとして、それから、モモタロスのぎゃーっという悲鳴。
その後聞こえる叫び声。
なんでお前がおれんとこいるんだよ。
先輩よく見て、こっちは僕のベッドだよ。
あっ。
夜中に寝ぼけてこっちにきて、人のこと抱き枕にして、その言い草はゆるせないなー。

なんていってるけど、亀ちゃんもじつはモモタロスのところにいくことがある。
モモタロスは仰向けで大の字で寝る。手足がベッドからはみ出す。
それなのに、絶対に落ちないのはすごいと思う。
寝ぼけてる亀ちゃんは、モモタロスの手足を布団の中にしまってやりながら、自分も一緒に入る。熊ちゃんが僕にしてくれるみたいに、モモタロスを懐に入れてる。
モモタロスはあったかいみたいだ。
一緒に入って、モモタロスをいーこいーこしながら目をつぶる。おでことかにちゅっとしている。
何で僕がしってるかって?
そういうときって、必ず部屋のドア開けっ放しなんだもん。
熊ちゃんが、慌ててしめに行くから、覗いてみたらそんなことしてたんだもん。
モモタロスも亀ちゃんモ一回眠ったら起きない人たちだからお互い何をしてるのかよく分かってないみたい(笑)。
おもしろい



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